内容
20世紀の後半に発展した山手線西側に比べ、東京都台東区は多様な側面を持っています。昭和2年に日本で最初の地下鉄が上野ー浅草間で開通する前から、浅草寺界隈は最先端の流行を体験できる繁華街へと発展していました。また、その周辺では江戸時代より多くの職人が日用品や工芸品を制作するとともに、かつての新吉原も現在の台東区千束にありました。そうした賑わいの一方で、上野の森には古くは将軍の墓所となった寛永寺や上野東照宮といった寺社があり、その後、東京美術学校(現在の東京藝術大学)や国立の博物館、動物園などが置かれ、多くの文人や芸術家が台東区に居を構えました。
近年は下町ブームのなかで谷中銀座周辺に注目が集まり、国外からも多くの観光客が訪れるとともに、戦後の闇市として発展した通称「アメ横」も国際色豊かな商業地域へと発展し、谷中や蔵前、御徒町には服飾雑貨を扱う地元密着型のショップが集まるようになっています。
この授業では、独自の視点による台東区の観光マップ(A3両面)の完成を目標に、まず事前学習を通じて下案を作成した後、現地調査による下案の修正・加筆を行なって、最終的には完成した観光マップを公表することを目指します。都市観光の多様な視点を具体的に体得することを目的とした授業です。