SOCIAL PRACTICAL SKILL DEVELOPMENT PROGRAM

ベトナムを知る

藤枝 絢子(FUJIEDA Ayako)

国際文化学部 グローバルスタディーズ学科

藤枝先生

ベトナムとの出会い

社会実践力育成プログラムにおいて、海外ショートプログラム(ベトナム)を担当されている藤枝先生。学生時代から在来の住まいと暮らし、住まいと自然災害を研究テーマにしている。「大学院生のとき、調査でインドの西部に行ったんです。そこで自然災害の復興のために、少数民族の伝統建築に補強を重ねていく様子を見て、地域固有の住まいと暮らし、自然災害との関係に興味を持ちました」。その後、京都大学にてベトナムや中国を拠点とする環境人材育成プロジェクトの特任助教となり、初めてベトナムのフエを訪れることに。「ベトナム中部がすごく魅力的な地であることを知り、その時の縁もあって、本プログラムではベトナムに行っています。ベトナム中部は安全で、複数の世界遺産を有する文化豊かな土地で、なかでもフエは京都とパートナーシティ提携を行っていて、京都とも非常に縁の深い都市です。でも意外とそんなに知らないベトナムをいろんな角度から見てもらえたらな、と思います」と藤枝先生は微笑む。

ベトナムとの出会い
ベトナムとの出会い

異国でのフィールドワーク

2022年9月に約10日間に渡って行われた本プログラムでは、日本からダナンへ、ダナンから陸路で2、3時間の旅路を経て、フエへと到着。歴史都市であるフエはグエン王朝時代の古都。海と山に囲まれた地形で、東南アジア最大級のタム・ヤン・ラグーンなど雄大な景色がある一方、いまだ山中にはベトナム戦争の爪痕が残っている。

「フエにはフエ大学があり、傘下に科学大学や農林大学、芸術大学、教育大学などがあって、各大学の中で多くの専門分野を抱えています。今回はその中のフエ科学大学の建築学科とともにデザインワークショップを行いました」。ワークショップのテーマは、旧市街地にあるフエ王宮を取り囲む街路を対象に、実際に訪問し、どう改善できるのかをグループごとに考えてみよう、というもの。観光客を誘致したいが、近隣住人の生活を守らなければならない…観光都市京都でも発生している社会問題を遠く離れたフエで、国を超えてアイデアを出し合う。

「現地の人とコミュケーションをとって、何かを成す、というような共同作業をしてもらいたい、というのが、このプログラムの大きな達成目標の1つです」。生きた場で英語を使ってコミュニケーションを取り、同い年の文化の違う人たちと様々なものを駆使して互いの価値観を知り、一緒に何かを達成する。異文化をこのように肌で感じることで、多面的なものの捉え方を学んでほしい、と藤枝先生は願う。

ワークショップ最終日。ベトナムと日本共通の文化「凧揚げ」を国の違いを感じながら一緒に作ることのできるワークショップスペースや、両国の昔遊びを体験できるスペースを作ることで、地域の人に伝統を知ってもらいつつ、観光客を誘致できるような文化交流施設など、様々なアイデアが誕生。「短期間でプレゼンもして、ポートフォリオも作って、よくがんばったと思います」と、藤枝先生も大絶賛の結果となった。

ベトナムとの出会い

異文化を知るということ

社会問題を実際にその目で見て、更に異文化の人と協働しながら解決策を考えることができる、というのは社会実践力育成プログラムならではの魅力だろう。

今後は、日本から訪れるばかりでなく、海外の学生を招待し、双方向の交流につなげていこうと考えている。「フエの洪水問題や少数民族の生活に関する問題など、もっと深いところにある社会問題について研究するようなプロジェクトを立ち上げて、学生さんのアイデアを実現することができれば」と藤枝先生は期待する。

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