矢田 勝貴(YATA Katsutaka) / 中山 俊朗(NAKAYAMA Toshirou)
産学公連携PBLプログラム(叡山電鉄)として、2023年から鞍馬駅前で行われている叡電キャンドルナイト。叡山電鉄沿線の活性化を目的に、スローライフ運動の一環としてキャンドルナイトイベントを実施するプログラムです。
今回は、叡山電鉄の中山さん、矢田さんに、学生との取り組みやその想いについてお伺いしました。
地元に寄り添い、支え合う、叡山電車の魅力
叡山電車は出町柳駅から叡山本線鞍馬線と二つの路線を持ち、八瀬・比叡山や貴船・鞍馬と京都の有名な観光名所への足となっています。また、沿線には多くの学校が立ち並び、ご利用されるお客様は半分が通勤通学、そして半分が観光のお客様となっています。電車は1~2両で編成され、全てワンマン運転で、運転士及び係員は丁寧な接客・案内を心掛けています。
地域の方々との繋がりを大切に考えて、京都精華大学さんとの連携はもちろん、八瀬叡山保勝会さんとは夏まつりやクリスマスイベントなどを共同で開催し、八瀬の地域を盛り上げたり、八幡前が最寄り駅である同志社中学校さんとも産学連携の「八幡前駅プロジェクト」により駅の活性化に資する取り組みを行うなど、たくさんの方々と一緒に叡電沿線を盛り上げています。
実はコロナ禍となった3年前、観光のお客様の利用がほぼゼロになってしまいました。それでも沿線や通勤通学のお客様は変わらず利用してくださり、いかに地元のお客様が大切かというのを身に染みて感じた3年間でした。だからこそ、地元の方々との連携はとても重要であると、我々は考えています。
キャンドルナイトプロジェクトについて
最初は京都精華大学さんと弊社で包括協定を結んだ取り組みの一環として、駅をキャンドルで飾りたい、という提案を頂いたのが始まりでした。大学さんからは京都精華大前の駅での展示、というお話だったのですが、鞍馬の駅前広場が社有地であり使用でき適度な広さもあるので、こちらから提案させていただきました。去年の第1回目はかぐや姫をテーマにキャンドルアートが展開されました。鞍馬駅の古風なイメージとも合いすごく綺麗で、引き続き2回目も開催予定です。
我々は場所があっても、それをどう活用すべきかは中々思いつきません。学生さんの豊かな想像力、企画力で私どもの場所を使っていただくことでお互いWin-Winの関係になれたのではないかな、と思います。
京都精華大学との取り組み、そしてこれから
京都精華大学さんとはえいでんアート、という取り組みを2022年から行なっていて、「えいでん」を題材に絵や写真及び楽曲などのアート作品を学生さんに提案していただき、優秀な作品については“えいでんアーティスト”として、作品を紹介しています。
この取り組みを通して、より学生さんに叡電に興味を持っていただき、弊社の新たな価値や魅力を掘り起こして頂きたいと考えています。また、学生さんに発表の場を提供できる、という点でも、とても有意義な取り組みになっているのではないかと思っています。
弊社で行なっている地元とのイベントや、包括連携の取り組みが、公共交通機関がより身近になり、発展していくきっかけに微力ながらもなれればいいなと考えています。
叡山電鉄は今年で開業99周年。この先100年、150年と地域の方の足として永続していける会社でありたいと願います。学生さんの新しい発想力や企画力で、電車の利用促進と沿線の活性化につながるアイデアがこれからも沢山頂ければ嬉しい限りです。
叡電キャンドルナイト2024は、2月17日(土)16:30~19:30
叡山電鉄鞍馬駅前および京都精華大前駅パラディオ橋で実施します(荒天の場合は中止)。ぜひ、足を運んでみてください。