筆者は2022年8月の夏真っ盛りのお盆の時期に、栃木県那須塩原市にあるアジア学院に国際文化学部の清水先生、学生9名と3泊4日の社会実践に参加しました。清水先生が長くお付き合いのあるこのアジア学院は発展途上国出身の農村リーダー育成と有機農業に取り組んでいる日本最初の国際系機関です。事前学習では、清水先生担当のもと、3班に分けて、アジア学院の創立者高見敏弘氏の著書『土とともに生きる』を読み、アジア学院のモットーや理念について学び、課題と対策案について議論しました。
上記写真:事前学習(合計3回)
アジア学院ではサステナブルな有機農業に取り組みながら、自分たちが食べるものは全て自分たちで作ります。そして、アジア学院を構成する世界中から集まった、参加者(※アジア学院では学生を「Participant」と呼びます)、スタッフ、ボランティアと、共に生きるための課題について熱く議論しながら解決案を探ります。そのようなコミュニティ作りをされている学院内に滞在するみなさんと一緒に、授業体験、ナイト・トーク、共同農作業や異文化交流の機会なども持つことができました。各国の文化を学んだり、また、有機野菜を使って各国の料理を食べたりと、農村コミュニティを通じて国際交流ができるとは!
東南アジアやインド・中南米・アフリカから集まった人々が学ぶアジア学院の公用語は英語です。アジア学院のみなさんはとってもフレンドリー!京都精華大学の学生たちも、初日から自分の殻を破って積極的に英語で交流をするなど、異なる文化背景を持つ人々との多文化共生の大切さと面白さを肌で感じたのではないでしょうか。
その中で特筆すべきことはTimothy先生(ガーナ出身)によるコミュニティ論講義(写真3)です。コミュニティとは、共同体とは・・・定義について、英語での議論が白熱化し、教員も学生もお互いに一歩も譲らず、出身国や地域などの実例を取り上げながら相手を納得させようとした白熱教室そのものです。引率教員の清水先生が付かず離れず絶妙なタイミングで適切なアドバイスを与えている姿に、また、英語が不得意そうな学生も周りの力を借りながら、積極的に自身の考えを伝えている姿に、教員(他校で教えている)としての筆者は強く心を打たれました。
そして、アジア学院の有機農業の取り組みも興味深かったです。筆者は趣味で、自宅近くの畑で野菜を育てていますが、アジア学院の野菜づくりは本当にすごい!有機肥料を使い、土がふかふかしています。写真6のスコップの上に乗っているのが肥料で、肥料作りについても学びました。
アジア学院の手厚いサポートのおかげで、学生たちも大変有意義な経験になりました。秋にアジア学院で行われる第50回収穫祭(10月15日開催)というイベントに再度アジア学院を訪れたいと思っているようです。有機農業と農村リーダー候補者を通じて、世界各国の人々と学びたい!という方はぜひ、次年度のアジア学院プログラムへの参加を検討してみてくださいね。
土と共に、人間と友に、ともに生きる!