インターンシップでは、一般社団法人アソボロジーの活動に参加しました。このインターンシップの目的は、美術をより多くの子どもたちに楽しく体験してもらうために、ゲーム形式を取り入れた新しい学びの方法を模索することです。特に、子どもたちと直接関わることで、彼らがどのように美術に興味を持つのか、またどのように学びを楽しむのかを理解することを目指しました。この活動を通じて、子どもたちが自然と美術に触れられる環境づくりの大切さを改めて感じました。
今回の活動で、主に行ったことは3つあります。
まず一つ目は、アソボロジーのメンバーと協力してゲーム企画を考えることです。私たちはいくつものゲーム案を出し合い、それらを実現するために試行錯誤を繰り返しました。その中で、私がメインで担当しているプロジェクトもあり、アイデアを形にしていく過程の楽しさと難しさを強く実感しました。ゲーム企画では、プレイヤーがどのようなコンセプトを楽しむかを想像し、それを具体的な形にすることが重要です。この過程で、アイデアを何度も練り直し、フィードバックをもとに改善を重ねました。特に、チームで意見を出し合いながら進めることで、より多角的な視点から企画を見直すことができ、最善の形を目指すことができました。
二つ目は、私がメインで動いているゲームについてです。このゲームは私の西洋美術への関心を反映させたもので、子どもたちが楽しく絵画を鑑賞できるような企画として考えました。特に、ジョルジュ・スーラの「グランド・ジャット島の日曜日の午後」を題材にした「間違い探しゲーム」を作成しました。この作品は、点描技法による鮮やかな色使いや詳細な風景描写が特徴で、子どもたちにも興味を引くのではないかと考えました。ゲームには10箇所の間違いが設定され、難易度も簡単、中程度、難しい、の3段階に分けています。得点制度も導入し、簡単な間違いは1点、普通は2点、難しいものは3点という形で、子どもたちが挑戦しがいのあるゲームになるよう工夫しました。このゲームは、アソボロジーがオンラインで開催している「ASOVIVA」というワークショップで、実際に子どもたちにプレイしてもらいました。子どもたちからは「楽しかった」「難しかった」といった多様な感想をもらい、それを通して、子どもたちがどのようにゲームを楽しんでいるかをリアルに感じることができました。しかし同時に、実際に行うと、思っていたよりも時間がかかったり、逆に予想よりも早く進行したりと、ゲームデザインの難しさにも直面しました。この経験から、ゲームを子どもたちに楽しんでもらうには、繰り返しテストを重ねて改善していく必要があることを強く感じました。今後はさらにテスト回数を増やし、子どもたちの反応を細かく観察しながら、より良いゲーム作りに取り組んでいくつもりです。
三つ目は、対面での活動です。中でも印象深かったのは、「ことす」での活動です。「ことす」は、京北で開催されている地方創生やSDGsに向け活動されている施設で、私は子どもたちと一緒にプラスチックのゴミを使っておばけを作るというプロジェクトに携わりました。ここでは、子どもたちがどのように素材を選び、どのように作品を完成させるかを手伝いました。特に、グルーガンを使って組み立てる際や、どの場所に作品を飾るかを決めるときに、子どもたちとコミュニケーションをとりながら一緒に進めました。この活動を通じて感じたのは、子どもたちの自由な発想力です。彼らは大人にはない独自の視点でアイデアを出し、私が思いつかなかったようなアプローチを次々と提案してくれました。例えば、プラスチックのゴミを使っておばけを作るという一見シンプルなテーマにも、子どもたちは多彩な工夫を凝らしていて、その独創性には驚かされました。このような子どもたちとの創作体験は、私にとって非常に貴重であり、彼らともっと関わりたいという気持ちを強めました。そして、この経験がきっかけとなり、私は学童保育のアルバイトを始めることにしました。子どもたちの成長を見守りながら、彼らと一緒に学び、創造的な活動をサポートすることにやりがいを感じています。
これらのインターンシップ活動を通じて、私は子どもたちとの関わりの重要性を改めて認識しました。特に、彼らが美術に触れることで発揮する創造性や興味を引き出す環境づくりの大切さを学びました。また、ゲームデザインの奥深さも感じ、ただ面白いゲームを作るだけでなく、子どもたちがどのように学び、楽しむかを考慮したデザインが必要だと実感しました。自分の興味やスキルを活かし、今後も子どもたちと一緒に新しい学びの形を創り上げていけるよう努めていきたいと思います。
(マンガ学部 山本真央)