空気を食べるロボット― 空気から生まれる素材と循環を考える
本作品は、沼田先生の研究から着目した「循環」という考えを、人間を抽象化したロボットによって表現するものである。研究では、空気中の二酸化炭素や窒素など、これまで材料として捉えられていなかったものを利用して新たな材料を生み出し、それを使用した後に環境へと還していく、物質の循環について研究が行われている。そこから、物質だけでなく、環境と人間もまた切り離されたものではなく、互いに影響を与えながら循環する関係にあるのではないかと考えた。
そこで、人間の身体や行為を抽象化した存在として「空気を食べるロボット」を制作した。ロボットは周囲の二酸化炭素を検知すると口を開き、空気を食べるような動作を行った後、移動する。人間もまた、呼吸によって環境から空気を取り込み、二酸化炭素を環境へと返している。このような人間と環境の関係をロボットの身体的な動きへ置き換えることで、環境から何かを受け取り、それがまた環境へ返されていく循環を表現する。単に空気を「食べる」ロボットを制作するのではなく、その行為を通して、人間自身も環境の中に存在し、その循環の一部となっていることを考えるきっかけをつくることを目指している。
吉田 蒼(メディア表現学部 メディア表現学科 4年)
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