KYOTO SEIKA UNIVERSITY

SOCIAL PRACTICAL SKILL DEVELOPMENT PROGRAM

岩倉さかばら地域に対して学生視点による企画・デザインの提案

2025年4Q集中期間に開講された「産学公連携PBLプログラム(京都企業・団体)」(科目代表者:南了太)では、人文学部 2名、芸術学部 2名 、デザイン学部1名の計5名の学生が受講をしました。

本授業は、企業や自治体が持つ課題やニーズをきちんと把握、整理し、解決するための商品企画・アイディアを提案することを目的としています。今年度は京都市左京区岩倉で「さかばら米」を発信する株式会社アイリーの「京都岩倉さかばらブランディングプロジェクト」:に関与し、学生目線で地域活性化案や商品企画案を行いました。

テーマは、①岩倉で栽培されるコリンキーの魅力提案、②岩倉で栽培される大根の魅力提案、③コメヌカエキスの保湿成分を生かした角質ハンドクリームの用途提案・マーケティング調査です。授業では、アートを使って社会問題や環境問題の解決のために働きかける活動・キャンペーンを指す「アート・アクティビズム」の視点を取りいれ、対面やオンラインで何度も企画、フィードバック、修正を繰り返し、提案書や制作物を作成しました。

①岩倉で栽培されるコリンキーの魅力提案

(芸術学部 造形学科 洋画専攻 竹内詩葉)

・コリンキーの魅力を伝えるために、洋画の色彩感覚を活かしたレシピ―デザインとプライスカードを制作し、JR京都伊勢丹外商部に採用。


・京野菜の中でもナス・万願寺唐辛子・聖護院かぶらなどの夏野菜の魅力を子供に伝えるためのレシピ―絵本の制作。

②岩倉で栽培される大根の魅力提案

(人文学部 総合人文学科 文学専攻 小枝琴音)

・人文学部で行った寺社仏閣へのフィールドワークの経験を活かし、京都の寺で12月に行っている大根炊きを参考にした、地域活性化案を提案。

・岩倉の大根をPRするためのロゴデザイン3案を提案。

③コメヌカエキスの保湿成分を生かした角質ハンドクリームの用途提案・マーケティング調査

(人文学部 総合人文学科 文学専攻 菱田知秀)

・京都岩倉さかばらハンドクリームに対して、他地域を参考に地域資源を活用したパッケージ戦略と、SNSを活用したマーケティング戦略、地域の特産品ごキャラクターを活用し、消費者に愛されるブランドの確立を提案。

・25種類のハンドクリームを、天然成分のPRの有無・価格の高低に分類し、ポジショニングマップを作成。

(芸術学部 造形学科 日本画専攻 内田明那)

・ハンドクリームを、フェイスパック、米糠石鹸、スキンケア、入浴剤に展開する案。

・阪急梅田百貨店の3社のハンドクリーム販売店にて、どのような消費者がハンドクリームを購入するかの行動観察と市場調査。

・顧客拡大に向けたパッケージデザインの提案。

上記のように様々な学部の学生から普段の学びを活かした提案や制作物が提示されました。

また、最終日には、岩倉さかばら地域の田畑を見学し、現地で生産された大根炊きが参加者に振る舞われました。

・岩倉さかばらブランディングプロジェクトは、地域の農業や特産品を守りながら、新たなブランド価値を生み出そうとする点で、とても意義のある活動だと感じました。特に、地元の人々が大切に育ててきた「さかばら産きぬひかり米」を活用したプロジェクトには、持続可能な地域活性化の可能性を強く感じました。単に商品を売るのではなく、その背景にある地域の物語や人々の想いを伝えることが、ブランドの魅力を高める鍵になると実感しました。また、今回の企画では、ご当地キャラクターを活用することで消費者との接点を増やす試みを提案しましたが、こうしたアイディアが今後の展開にどう活かされるのか、引き続き関心を持って見ていきたいと思います。

・営業者ならではの視点、お話をたくさん聞ける貴重な機会になりました。今まではデザインや絵を描く側は売場に至るまでの前段階までしか関わることはなかったですが、今回実際に伊勢丹さんでフライヤ−が掲載されているのを見たことで、消費者の方とつながっている実感が湧きました。自分の作ったものが確かに誰かの目に映っている安心感、レシピをきっかけに料理を楽しんでくれた嬉しさ、コリンキーを美味しくいただいてくれた喜びがありました。ありがとうございます。

・今回発表した企画や制作物に対するコメントや、実際に畑に伺った時に大根炊きを実際に体験させてもらえたことなど自身の行動にとても真摯に向き合っていただきました。また岩倉さかばら地域の人の思いを聞いたことで、より丁寧にロゴを作って地域の人たちに喜んでほしいという気持ちが湧いてきました。今回の試みが少しでも良い影響になれば幸いです。

・初めて最初から企画を考え不安なことも多かったのですが、アイディアを広げるためのアドバイスが自身のやる気になり、とても有難く考えていきやすかったです。最後の大根炊きは実際育てているものを食べられるというなかなか出来ない体験でした。

1ケ月足らずの短いプロジェクトでしたが、受講生たちは自身の普段の学びの成果をもとに現状を把握し、他者とコミニケーションをし、提案物・制作物を作製する経験ができました。

改めて株式会社アイリーの入江裕司氏をはじめ、株式会社ジェイアール西日本伊勢丹京都店 外商統括部の吉岡淳氏、関係者の皆様にお礼申し上げます。


(文責 南了太)

Facebook
Twitter
Email