大江 平(OE Taira)
国際文化学部 グローバルスタディーズ学科 1年生

今回は社会実践力育成プログラム、海外ショートプログラムにて、セネガルへ訪問した学生さんにインタビューしました。
−−−−今回のプログラムに興味を持ったきっかけ
高校の時、授業で北海道の小樽のモスクへ行ったことがあって。当時、モスクなんて存在すら知らず、知らない外観の知らない建物にただ圧倒されました。そこからモスクとイスラム教に興味を持ち、今回、イスラム圏として有名なセネガルでのフィールドワークに参加しました。
−−−−モスクを見ることはできましたか?
「本場のモスクが見たい」というのが、今回の旅でのいちばんの目標でした。それで、あわよくば礼拝の様子も見られたらいいな、と。
5日目に、先生のお友達の現地の方が合流してくださって、そこからずっと一緒に行動していました。その方はイスラム教徒の方で、定期的に1人で抜けて礼拝に行かれるんです。そこで、ダメもとで、一緒に礼拝に連れて行ってもらえないかお願いしてみると、全然OK!って歓迎してもらえて。まさか、そんなあっさりモスクでの礼拝に参加できると思っていなかったので、びっくりして。
実際に参加してみるとたくさんのことに気づき、触れることができました。数珠を数えている人、床に文字を書く人…さらには車椅子で中には入れないけれど、モスクに入った人と触れ合うことで祈りを捧げる人。人によってたくさんの祈り方がありました。決まった何かをやらされているのではなく、心から信仰しているからこそ、それぞれのやり方があるのだな、ということが見て取れました。
−−−−信仰に触れて、感じたことはありますか?
礼拝は、モスクに必ず行く必要はなくて、絨毯を敷いてその場でお祈りする方もたくさんいらっしゃいます。スーパーの外で突然お祈りが始まったりするので、驚きました。僕は無宗教なので、礼拝をサボってしまう日もあるんじゃないか、とか考えてしまうんですが、実際に礼拝に参加してみると空気が全く違いました。彼らにとって、お腹が空いたらご飯を食べる、のと同じくらい、生きている中で当たり前に信仰があるのだと、肌で感じることができました。
−−−−その他の体験について教えてください
現地を訪れて印象に残っているのは、「食」と「子どもたち」です。
食に関しては、もう、すんごく美味しくて。セネガル料理は基本的に手で食べるっていうのと、ご飯の写真も事前に見せてもらっていたので、食べ方や見た目にはそんなに驚かなかったんですけど、本当に美味しいのか?っていう疑問はずっとあって。実際食べてみて、美味しすぎてびっくりしました。
食べ方にもルールがあって、大きいお皿をみんなで囲んで座って食べるんですが、一番偉い人が最初に食べることができます。その方が自分の前の具材を切り分け、周りの人に分け与え、また更に他の人はそれをまた周りに切り分け、分け与えます。難しいので、僕たちはそこまではやりませんでしたが、とても興味深い文化でした。
また、ある日外に出かけると子どもたちがサッカーをしていました。時間があったので、その子たちと一緒に遊ぶことに。そこで、僕は友人と共に、腕相撲を教えてあげたんです。そうしたらめちゃくちゃハマってくれまして、ず~っと腕相撲していました。
友人の調査テーマが「子どもの娯楽」だったこともあり、調査の一環で現地の子どもたちにスマホゲームも渡してみたんです。日本の子どもたちなら喜んで飛びつく代物ですが、現地の子どもたちにとっては全然面白くないらしく、すぐ辞めてしまいました。それよりサッカーや腕相撲の方がずっと楽しいみたいで。僕たちの感覚では考えられないので、見ていてとても興味深かったですね。


−−−−このプログラムを通して、自分の中でなにか変化したことはありますか
具体的な変化がなにか、というのはまだ自分の中でまとまっていないのですが、間違いなく、成長できたと感じます。3回生になったらまた長期でのフィールドワークプログラムがあるので、その時もセネガルに行けたらいいな、と。
少し前までは海外=英語圏だと思っていましたが、セネガルでのプログラムを経て、さまざまな固定概念がなくなりました。海外に行くためには、英語学習が必須である思っていましたが、実際、今回の旅はほとんどボディランゲージでコミュニケーションをとっていたこともあり、コミュニケーションにおいて最も重要なのは言語というわけではない、ということがわかりました。
行きたい、と思い立ったらとにかく飛び込んでみる。きっと、とても価値のある体験ができると思います。

