2026年の夏休み期間に実施された社会連携PBLプログラム1(東京聖地巡礼マップ)(担当教員:南了太・数井浩子)では、東京都内の様々な名所を巡り、自分なりのオリジナル視点による「聖地巡礼」デジタルマップを企画・作成することを目的としています。
今年度は、芸術学部 造形学科から2名、マンガ学部 マンガ学科から2名(いずれも2年生)の4名の参加がありました。受講生は、企画プレゼン技法やマップ作成の講義の後、各自が希望するテーマをもとに東京都内を散策し、デジタルマップを作成ました。特に今回は留学生が多かったことから2か国語でマップ作りに励みました。
⚫︎デジタルマップの紹介
①太宰治が暮らした三鷹MAP
今回の東京聖地巡礼MAPをつくろうと思ったのは、私自身がとても太宰治作品が大好きで、実際に彼が暮らした三鷹を歩いてみてMAPをつくってみたかったからです。三鷹の禅林寺(太宰治のお墓があるお寺)には毎年行っているのですが、今回はMAPをつくるにあたっては、太宰治にゆかりのある場所を調べ、太宰に関連した説明を加えたわかりやすいルートマップを制作しました。初めて三鷹を訪れる人も迷わず目的地に行けるような、また、何度か訪れている人にとっては散歩ルートとしても楽しめるMAPとなっております。さらに、中国からの旅行者や留学生も楽しめるように、中国語バージョンも制作しました。


【私がオススメする 1 日コース】
三鷹駅南口→太宰治展示室「三鷹の此の小さい家」→玉川上水・風の散歩道 → 太宰治文学サロン→太宰治旧居跡 → 禅林寺・太宰治の墓
※展示室で基礎知識を得てから歩く、約2〜3時間のコースです。旧居跡は私有地のため、案内板と周辺だけを見学します。
②境界をくぐる〜中井周辺の小さな鳥居・神社をめぐる〜
今回の東京聖地巡礼MAPで中井周辺をテーマに選んだ理由は、京都に来る前に中井に住んでいたからです。住んでいた頃は毎日のように歩いていた場所ですが、小さな神社や鳥居についてはあまり意識していませんでした。今回改めて調べてみたら、昔からその場所にずっとある神社と新しい住宅や道路等が同じ地域にあることに気づきました。そこで今回のMAPを制作するにあたって、以前住んでいた街を、違う視点から見直してみると面白いのではないかと思いました。フィールドワークでは、神社が今の都市の中でどのように残っているのかを見たり聞いたり、いろいろと調べながら、たくさん歩きました。


【私がオススメする 1 日コース】
中井駅→月見岡八幡神社→中井御霊神社→鼓稲荷神社→葛谷御霊神社→下落合氷川神社→鐵砲稲荷神社→高田馬場駅
※午前は中井周辺をゆっくり歩き、昼に休憩してから下落合や高田馬場周辺を散歩する。移転した神社、古い社殿が残る神社、住宅街の小さな稲荷、比較的広い境内、大通りと住宅街の対比、新しい大規模マンションとの対比まで、1日でいろいろな名所を比べられるコースだと思う。
③下北沢でライブハウスを巡ってカレーを食べる!『ぼっち・ざ・ろっく』聖地巡礼MAP
今回、聖地巡礼MAPを作ろうと思ったきっかけは、『ぼっち・ざ・ろっく!』というアニメが好きだったことです。自分も『ぼっち〜』と同じく女子バンドをやっているので、東京のライブハウスにも興味を持ちました。そして、実際に東京のライブハウスに行ってみたいと思い、今回このMAPを作ることにしました。そのため今回は、『ぼっち・ざ・ろっく!』のなかで登場した場所だけではなく、主人公たちが主に活動拠点としていた下北沢周辺のライブハウスについても調べて、フィールドワークをしました。

④ヒプノシスマイク 聖地巡礼マップ in 池袋
今回の聖地巡礼MAPをつくろうと思ったきっかけは、好きな作品である『ヒプノシスマイク』に登場する実在する地域(今回は「池袋」)を実際に訪れて、作品のなかの風景と現実の風景を見比べてみたいと思ったからです。特に今回は「池袋ディビジョン」のミュージックビデオやアニメ本編にも登場するスポットを実際に巡って撮影して、実際の街と作品をつなぐルートとしてまとめます。それぞれの舞台となる場所は池袋駅から近いため、スポットとスポットの距離もそんなに離れておらず、約2時間もあれば軽く巡ることができます。ヒプマイのファンだけでなく、アニメスポットに関連する聖地巡礼として、気軽に散歩する感覚で気軽にMAPと一緒に池袋巡りを楽しんでいただけるルートになっていると思いますので、そのへんも注目して見てほしいです。


【私がオススメする 1 日コース】
作品をきっかけに、池袋の街を歩いて楽しめるコースです。
池袋駅東口 → P’PARCO → 西武池袋本店→池袋西一番街 → ウェンディーズ・ファーストキッチン→東京芸術劇場
聖地巡礼に加えて、ショッピングや食事も一緒に楽しめます。
受講生からは、本授業を通じて以下の感想がありました。
・実際にフィールドワークをしてみて、本やインターネットだけでは分からない三鷹の町の空気や、街並み、そしてその土地の距離感を実感できたことが大きな学びとなりました。特に、太宰治からみた玉川上水と現在の三鷹の風景を自分のなかでつなげられたことは印象深かったです。作品がとても身近に感じられました。
・今回のフィールドワークでは、地図上の点として見ていた神社を実際に歩くことで、道の細さや住宅との近さなど、資料だけでは分からないことがたくさん確認できた。フィールドワークの準備として事前に調べた「歴史」「移転」「周辺建物の建築年」と、自分で見た街の景色がつながったのが面白かった。大きな観光地を巡る聖地巡礼とは違い、普通の住宅街の中にある限定された小さな場所を観察することで、その地域にもさまざまな歴史があり、現在とは違う時が重なってみえてくることも感じられた。
・今回の授業でのフィールドワーク実習はとても良い経験になりました。作品のなかで、どれだけリアルに描写されていても、実際に行ってみないと感じられないこと、知ることができないことがあると痛感しました。作中、キャラクターたちが歩いていた道も、その広さ狭さは実際に行かないとわからないものです。また、他の場所に移動するときの距離感やそこまでに実際にかかる時間など、アニメやマンガを見ているだけでは体感として知ることができない情報です。今回のフィールドワークを通して、そのような情報を実感できたことで、キャラクターたちが作中では描かれていない時間に、なにをして、どういうことをやって毎日を過ごしているのかも想像できて、彼らの毎日の様子が感じられるようになった気がします。今回の経験を踏まえて、今後の作品制作やバンド生活がもっと楽める気がします。
・今回のMAPは、特に『ヒプノシスマイク』の池袋ディビジョンに興味がある人に向けて、池袋駅から実際に歩きながらそれぞれの聖地を巡れるようにすることを目的として作成しました。心がけた点は、場所を単に並べるだけの地図にするのではなく、移動する順番や退屈しないような順番を考えてルートを作成しました。合わせて、各スポットに関連する話数やシーン内容も整理しました。MAPのスポットを巡っても約2時間程度のコースにしています。わざわざ「聖地巡礼」としてまとまった時間を取って、池袋まで旅行をしなくても、何かのついでに池袋を訪れる機会があったら、ついでに気軽に巡れるように考えました。『ヒプノシスマイク』ファンだけでなく、池袋での聖地巡礼が初めての人でも、このMAPを活用していただき、アニメ作品と池袋の街を一度に2倍、楽しんでいただけるとうれしいです。